ADHDの特性は誰でも当てはまる?診断基準の違いを解説

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「ADHDのチェック項目、誰でも当てはまる気がする…」と感じたことはありませんか?確かに不注意や落ち着きのなさは多くの人にありますが、診断には明確な基準があります。

ワナちゃん
ワナちゃん

私、ADHDなんだけど、診断リスト見た友達に「これ私も当てはまるよ」って言われてさ。じゃあ私の困りごとって何なんだろうって思っちゃったなあ。

この記事では、ADHDの特性が誰でも当てはまるように見える理由、特性と診断の違い、グレーゾーンの考え方や働き方のヒントまでを当事者目線で解説します。

ADHDの特性は誰でも当てはまるように見える理由

ここでは、ADHDの特性がなぜ誰でも当てはまるように感じられるのかを解説します。誰にでもある行動と特性が重なって見えることが、その大きな理由です。

不注意や多動は誰にでもある行動だから

「忘れ物をする」「集中が続かない」「うっかりミスをする」といった行動は、誰にでも起こります。ADHDのチェックリストにはこうした項目が並ぶため、多くの人が「自分にも当てはまる」と感じやすいのです。

行動そのものは共通でも、その頻度や強さ、生活への影響が一人ひとり違います。当てはまる項目があること自体は、ごく自然なことだと考えてよいでしょう。

特性は連続的なグラデーションで存在するから

ADHDの特性は「ある・なし」のどちらかにきれいに分かれるものではありません。不注意や多動性・衝動性の程度は、薄いところから濃いところまで連続的に広がっています。

そのため、多くの人がこのグラデーションのどこかに位置します。誰でも特性の一部を持っているからこそ、「当てはまる」と感じる人が多くなります。

診断名が広く知られ自分に重ねやすいから

近年はADHDという言葉がSNSやメディアで広く知られるようになりました。情報に触れる機会が増えたことで、自分の困りごとを特性に重ねて考える人も増えています。

身近に感じられること自体は悪いことではありません。ただし、当てはまる項目の数だけで自己判断するのは難しい点には注意が必要です。気になる場合は、次の章の診断基準の考え方を参考にしてみてください。

大人のADHDは病院に行くべきか|受診の目安を解説のアイキャッチ画像 大人のADHDは病院に行くべきか|受診の目安を解説
ちょっと豆知識

ADHDは「注意欠如・多動症」の略で、神経発達症(発達障害)の一つに位置づけられています。

ワナちゃん
ワナちゃん

じゃあさ、誰でも特性があるなら、診断される人とされない人って何が違うの?気になるなあ。

ワークさん
ワークさん

いいところに気づきましたね。鍵になるのは「程度」「生活への支障」「複数の場面」の3つなんですよ。次の章で見ていきましょう。

ADHDの特性と診断基準の違いはどこにあるか

ここでは、誰でも当てはまるように見える特性と、ADHDの診断基準との違いを解説します。医療機関では、いくつかの条件を総合的に見て診断が行われます。

症状の程度が発達水準より明らかに強いこと

診断では、不注意や多動性・衝動性が同年齢の発達水準に比べて明らかに強く現れているかが重視されます。誰にでもある程度の困りごととは、強さの点で区別されます。

厚生労働省のこころの耳「注意欠陥性多動障害(ADHD)」用語解説でも、発達段階に見合わない困難である点が示されています。チェック項目に当てはまるだけでは診断には至りません。

日常生活や仕事に支障が出ていること

診断では、特性によって実際に生活や仕事、対人関係に支障が出ているかが問われます。特性があっても困りごとが生じていなければ、診断には結びつきにくいと考えられています。

反対に、本人が強い困難を感じている場合は、その背景を整理することが大切です。困りごとの中身を言語化しておくと、相談や受診の際にも役立ちます。

複数の場面で困りごとが続いていること

診断の条件には、家庭・学校・職場など2つ以上の場面で困りごとが続いていることが含まれます。特定の場面だけで起こる困りごとは、別の要因が関係している場合もあります。

厚生労働省のこころの情報サイト「発達障害(神経発達症)」でも、ADHDは神経発達症の一つとして、不注意と多動性・衝動性の両面から説明されています。

症状が12歳以前から見られること

ADHDの診断では、特性が子どもの頃(おおむね12歳以前)から見られていたかも確認されます。大人になってから急に現れたように感じる場合でも、振り返ると幼少期からの傾向が見つかることがあります。

このように、診断は1つの基準ではなく複数の条件を組み合わせて総合的に判断されます。当てはまる項目があるかどうかだけでは決まらない点を押さえておきましょう。

観点誰にでもある状態ADHDの診断で重視される点
程度ときどき・軽い発達水準より明らかに強い
生活への影響大きな支障はない仕事や対人関係に支障が出ている
場面特定の場面のみ複数の場面で続く
時期一時的なことが多い12歳以前から続く傾向

ADHDの特性そのものについてもっと知りたい人は、見た目や行動の特徴をまとめた記事も参考になります。

ADHDは見た目でわかる?俗説と本当の特徴を解説のアイキャッチ画像 ADHDは見た目でわかる?俗説と本当の特徴を解説

ADHDの特性とグレーゾーンはどう考えればよいか

ここでは、診断はつかないものの特性が当てはまる「グレーゾーン」の考え方を解説します。診断の有無にかかわらず、困りごとへの対処は考えられます。

ADHDの対策10選|仕事と日常でできる工夫のアイキャッチ画像 ADHDの対策10選|仕事と日常でできる工夫

グレーゾーンは診断基準を満たさない状態

グレーゾーンとは、ADHDの特性は見られるものの、診断基準を完全には満たさない状態を指す通称です。医学的な診断名ではありませんが、当事者の体感を表す言葉として広く使われています。

診断がつかなくても、困りごとがある事実は変わりません。「自分の困りごとは気のせいではないか」と悩みを抱え込みすぎる必要はないでしょう。

診断がつかなくても困りごとへの対処はできる

仕事のミスや段取りの悩みは、診断の有無に関わらず工夫で軽くできる場合があります。タスクの見える化やリマインダーの活用など、特性に合わせた対処法は数多くあります。

具体的な仕事上の困りごとと対処法については、別の記事で詳しく解説しています。働き方を見直したい人は、あわせて参考にしてみてください。

ADHDと仕事|困りごとと対処法・働き方を解説のアイキャッチ画像 ADHDと仕事|困りごとと対処法・働き方を解説

思い込みと特性を切り分けて考えることも大切

情報に触れるうちに「自分はADHDかもしれない」と強く思い込んでしまうこともあります。不安が大きいときは、思い込みと実際の特性を切り分けて整理することが役立ちます。

自分がADHDかもしれないと感じる背景や、次の一歩については、別の記事でも掘り下げています。気持ちの整理に役立ててみてください。

自分をADHDと思い込んでいる?見極め方を解説のアイキャッチ画像 自分をADHDと思い込んでいる?見極め方を解説

ADHDの特性が気になるときの相談先と進め方

ここでは、ADHDの特性が気になったときの相談先と進め方を解説します。診断を受けるかどうかにかかわらず、相談できる窓口は複数あります。

ADHD後天性は本当?先天性との違いを解説のアイキャッチ画像 ADHD後天性は本当?先天性との違いを解説

確定診断は精神科や心療内科などの医療機関

ADHDかどうかの診断は、精神科や心療内科などの医療機関でのみ行われます。問診や行動観察、心理検査などを組み合わせて、医師が総合的に判断します。

自己診断やチェックリストだけで結論を出すことはできません。気になる症状が続く場合は、専門の医療機関に相談することをおすすめします。

発達障害者支援センターでも相談できる

各自治体の発達障害者支援センターでは、診断の前段階でも相談に応じてくれる場合があります。どこに相談すればよいか分からないときの窓口として活用できます。

支援制度や就労の相談先について全体像を知りたい人は、発達障害のある人が使える支援制度をまとめた記事も参考にしてみてください。

働き方の悩みはキャリアの専門家にも相談できる

「特性が仕事に影響している気がする」という悩みは、キャリアアドバイザーなどの専門家に相談する方法もあります。診断の有無にかかわらず、自分に合う働き方を一緒に整理してもらえます。

発達障害全般の特性と働き方の関係について知りたい人は、発達障害と仕事についてまとめた記事もあわせてご覧ください。

注意ポイント

気分の落ち込みや強い不安が続くなど、つらさが大きいときは、自己判断を続けず早めに医療機関へご相談ください。

ADHDの特性は誰でも当てはまるかに関するよくある質問

ここでは、ADHDの特性が誰でも当てはまるのかについて、よくある質問に答えます。気になる点の整理に役立ててみてください。

ADHDの診断リストは誰でも当てはまりますか?
項目の一部は誰にでも当てはまります。診断では程度・生活への支障・複数の場面・時期を総合的に見るため、当てはまる数だけでは決まりません。
特性があれば必ずADHDと診断されますか?
特性があっても診断基準を満たさない場合は診断に至りません。グレーゾーンと呼ばれる状態もあり、診断の有無で困りごとの有無が決まるわけではありません。
自分でADHDかどうか判断できますか?
チェックリストは気づきのきっかけにはなりますが、確定診断はできません。診断は精神科や心療内科などの医療機関でのみ行われます。
診断がつかないと支援は受けられませんか?
発達障害者支援センターなど、診断前でも相談できる窓口があります。働き方の悩みはキャリアの専門家にも相談できます。

まとめ

ADHDの不注意や多動性・衝動性といった特性は、行動そのものは誰にでもあり、当てはまるように見えるのが自然です。一方で診断では、症状の程度が発達水準より明らかに強いこと、生活や仕事に支障が出ていること、複数の場面で続いていること、12歳以前から見られることなどを総合的に判断します。診断がつかないグレーゾーンの場合でも、困りごとへの対処や相談はできます。気になる症状が続くときは、医療機関や支援センターへの相談から始めてみるとよいでしょう。

ワークさん
ワークさん

当てはまる項目があっても、それだけで決めつけなくて大丈夫ですよ。気になることが続くときは、医療機関に相談してみてくださいね。

ADHDは甘えではない|そう言われる理由と正しい理解のアイキャッチ画像 ADHDは甘えではない|そう言われる理由と正しい理解
この記事の監修者

ワナワーク編集部

ワナワーク編集部は、国家資格キャリアコンサルタント(キャリア相談歴8年)を有する就職・転職支援の専門家チームです。発達障害・精神疾患のある方の「働く」に寄り添い、厚生労働省などの公的機関や医療の一次情報をもとに、信頼できる情報をお届けしています。

本記事の免責事項

本記事は就職・キャリア支援の観点から作成されたものであり、医療的助言ではありません。診断・治療・服薬等については、必ず医療機関や専門家にご相談ください。記事内で紹介する職種・働き方は一般的な傾向に基づくものであり、個人差があります。