発達障害の手帳3級のメリットとは|申請方法と活用法を解説

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精神障害者保健福祉手帳の3級は、発達障害のある方も取得できます。「3級って意味があるの?」と疑問に思う方は多いですが、税制優遇・交通割引・障害者雇用枠の活用など、生活と就労の両面で具体的なメリットがあります。

ワナちゃん
ワナちゃん

友達のユイちゃんが発達障害で、手帳3級を取ろうか迷ってるみたい。3級って本当にメリットあるのかなって。

この記事では、精神障害者保健福祉手帳3級のメリット・デメリット・申請手順・更新のポイントまでをわかりやすく解説します。自治体によってサービス内容が異なる点も合わせて紹介します。

精神障害者保健福祉手帳とは|発達障害も対象

ここでは、精神障害者保健福祉手帳の基本的な仕組みと、発達障害が対象となる理由を整理します。

精神障害者保健福祉手帳の概要

精神障害者保健福祉手帳は、精神障害のために長期にわたって日常生活や社会生活に制約がある方を対象とした制度です。手帳を取得することで、税制優遇・交通割引・福祉サービスなどのサポートを受けられるようになります。

等級は1〜3級まであり、精神障害の状態と日常生活・社会生活への影響を総合的に判定して決まります。

等級障害の目安
1級日常生活の用を弁ずることができない程度
2級日常生活が著しく制限を受ける程度
3級日常生活または社会生活が制限を受ける程度

出典:厚生労働省「障害者手帳について」(2025年確認)

発達障害はなぜ対象になるのか

発達障害(ADHD・ASD・LDなど)は、精神障害者保健福祉手帳の対象となる「精神疾患」に含まれます。身体障害者手帳や療育手帳とは異なり、知的障害がなくても申請可能です。

発達障害の特性によって就労や日常生活に支障がある場合、医師が診断書を作成し申請する流れになります。てんかんや高次脳機能障害がある場合も、精神科以外の専門医が診断書を書くことができます(出典:厚生労働省)。

ちょっとメモ

発達障害の申請では、精神科・心療内科・発達外来など、診断を担当している専門医が診断書を作成します。初診から6か月以上経過していることが申請の条件です。

手帳3級のメリット一覧|発達障害で得られるサポート

以下では、3級で受けられる主なメリットを順に解説します。自治体によって内容が異なるものもあるため、お住まいの窓口での確認を合わせてお勧めします。

ワナちゃん
ワナちゃん

3級って意味ないってよく聞くけど、実際はどんなメリットがあるんだろう?

ワークさん
ワークさん

3級でも十分に活用できる制度がありますよ。税金・交通・就労の3つの面からまとめて見てみましょう。

税制優遇(所得税・住民税の控除)

手帳3級を取得すると、所得税と住民税で「障害者控除」が適用されます。所得税で27万円、住民税で26万円が所得から控除されるため、年収によっては数万円単位の節税につながります。

税制優遇の主な内容
  • 所得税の障害者控除:27万円
  • 住民税の障害者控除:26万円
  • 預貯金の利子非課税(350万円まで)
  • 住民税の所得割が非課税(所得125万円以下の場合)

なお、特別障害者控除(1・2級が対象)とは異なり、3級は通常の「障害者控除」の枠組みになります。具体的な控除額は年収・税率によって異なるため、確定申告や年末調整の際に勤務先や税務署に確認することをお勧めします。

公共交通機関・公共料金の割引

手帳3級では、各種交通機関や公共料金の割引を受けられる場合があります。ただし、内容は自治体や交通事業者によって大きく異なるため、必ずお住まいの自治体窓口で確認してください。

サービス内容(目安)備考
路線バス運賃半額〜(自治体差あり)東京都:都内路線バス半額(写真貼付手帳が必要)
都営交通乗車証交付など自治体独自の制度あり
携帯電話料金基本料金・オプション割引各キャリアが独自プランを用意
NHK受信料半額または全額免除世帯全員が市区町村民税非課税の場合は全額免除
美術館・博物館入場料無料〜半額施設によって対応が異なる

身体障害者手帳と比較すると、精神障害者保健福祉手帳は交通割引の適用が少ない自治体もあります。近年は対象を拡大している自治体も増えてきており、定期的に窓口や自治体ウェブサイトで最新情報を確認することが重要です。

障害者雇用枠での就職・合理的配慮

3級の手帳を取得すると、障害者雇用枠への応募が可能になります。障害者雇用枠では、雇用段階から発達障害の特性を開示した上で採用されるため、通院休暇の確保・業務内容の調整・勤務時間の短縮といった「合理的配慮」を受けやすくなります。

一般雇用(クローズド就労)との主な違いを整理すると以下の通りです。

障害者雇用枠(オープン就労)一般雇用(クローズド就労)
手帳の提示必要不要
合理的配慮受けやすい個別交渉が必要
求人数限定的多い
職場への開示一部または全員自分で管理できる

手帳を取得していても、一般雇用でクローズド就労を選ぶことは可能です。手帳の取得=必ずオープン就労、ではないという点を覚えておきましょう。

発達障害でも就職できる?雇用枠・支援制度の選び方ガイドのアイキャッチ画像 発達障害でも就職できる?雇用枠・支援制度の選び方ガイド

就労移行支援・ハローワーク障害者窓口の利用

手帳3級があると、就労移行支援事業所・ハローワーク障害者窓口・障害者就業・生活支援センターなど、専門の就労支援機関を活用できるようになります。

就労移行支援では、職業訓練・応募書類作成・面接対策・職場定着支援まで、一貫したサポートを受けることができます。就職後も職場定着支援が最長3年間受けられるため、「入社したはいいが続けられなかった」というリスクを減らす助けになります。

医療費の助成(自治体によって異なる)

一部の自治体では、手帳を持つ方を対象に精神科・心療内科の通院費やデイケア・訪問看護・薬代の助成制度が用意されています。医療費の自己負担を軽減できるかどうかは、お住まいの自治体によって大きく異なります。

「自立支援医療(精神通院医療)」は手帳がなくても申請できる制度ですが、手帳と合わせて申請する方も多く、通院コストをまとめて下げられる場合があります。詳細は市区町村の障害福祉窓口に問い合わせることをお勧めします。

手帳3級のデメリットと注意点

ここでは、手帳取得を検討する際に知っておきたいデメリットと誤解しやすい点を整理します。

ワナちゃん
ワナちゃん

デメリットも知っておかないとね。職場にバレたりしないのかな?

ワークさん
ワークさん

手帳を取っただけでは職場に知られません。開示するかどうかは本人が決められますよ。

職場への情報開示について

手帳を取得しても、職場への開示義務はありません。一般雇用での就職時に自分から伝えない限り、人事部や同僚に手帳の存在が知られることはありません。個人情報保護法によって、従業員の医療・福祉情報は厳格に管理されます。

ただし、障害者雇用枠で採用される場合は、採用プロセスで手帳の提示と障害の開示が必要です。クローズド就労を希望する場合は、一般雇用の求人に応募することになります。

診断書取得の手間と費用

申請には医師が作成した診断書が必要です。診断書の作成費用は医療機関によって異なり、数千円〜数万円程度かかることがあります。また、初診から6か月以上経過していることが要件であるため、診断を受けたばかりの段階では申請できません。

注意ポイント

診断書の内容が「日常生活・就労にどれだけ支障があるか」を正確に反映することが審査のポイントになります。困りごとを事前にメモして医師に伝えるとスムーズです。

2年ごとの更新が必要

精神障害者保健福祉手帳の有効期間は2年間です。有効期間が終わる前に更新申請を行わないと失効するため、期限の管理が必要です。更新時も原則として診断書の提出が求められます。

なお、状態が改善されていると判断されれば等級が下がる場合があり、逆に状態が重くなれば等級が上がる可能性もあります。等級の変化は受けられるサービス内容に影響するため、更新のたびに窓口で確認することをお勧めします。

手帳3級の申請手順|発達障害での流れ

ここでは、発達障害で精神障害者保健福祉手帳を申請する際の基本的な流れを解説します。詳細は市区町村の担当窓口で確認してください。

STEP1:主治医に相談して診断書を依頼する

かかりつけの精神科・心療内科・発達外来の主治医に「精神障害者保健福祉手帳の診断書を作成してほしい」と相談します。初診から6か月以上経過していることが申請条件です。

診断書の内容は日常生活や就労への支障を記載するものです。仕事でのミスが多い・段取りができない・感覚過敏で疲弊するなど、具体的な困りごとをメモにまとめて医師に渡すと、実態が正確に反映されやすくなります。

STEP2:市区町村窓口に書類を提出する

お住まいの市区町村の障害福祉担当窓口(役所・保健センターなど)に必要書類をそろえて提出します。

申請に必要な書類(一般的な例)
  • 障害者手帳申請書(窓口で入手)
  • 診断書(初診から6か月以上・申請日から3か月以内)
  • 顔写真(4cm×3cm・1年以内撮影)
  • マイナンバー書類・本人確認書類

※障害年金を受給している場合は、証書の写しで診断書を代用できる場合があります。詳細は窓口で確認してください。

STEP3:審査・手帳の交付を受ける

提出後、都道府県または指定都市が審査を行います。審査から手帳の交付まで通常2〜3か月程度かかります。交付を受けたら手帳を持って関係窓口や施設に提示することでサービスを受けられるようになります。

出典:こころの情報サイト(国立精神・神経医療研究センター)「障害者手帳・障害年金」

自治体によってサービス内容が異なる|確認のポイント

精神障害者保健福祉手帳のサービスには、全国一律のものと自治体独自のものがあります。特に交通割引・医療費助成・施設利用料の減免はお住まいの地域によって大きく差があるため、取得前に必ず確認してください。

ワナちゃん
ワナちゃん

ユイちゃん、東京住みなんだけど、交通費とか減るのかな?地域によって違うのは困るよね。

ワークさん
ワークさん

東京都は路線バス半額・都営交通の乗車証などがありますよ。まず区市町村の窓口に一覧を聞いてみるのが一番確実ですね。

全国一律のサービスと自治体独自のサービスの違い

精神障害者保健福祉手帳で受けられるサービスは、「全国共通」と「自治体独自」の2種類に分かれます。

全国共通のサービス(3級対象)
  • 所得税・住民税の障害者控除(27万円・26万円)
  • NHK受信料の減免(世帯の所得状況による)
  • 障害者雇用枠への応募資格
  • 就労移行支援・就労継続支援の利用
  • 生活福祉資金の貸付(一定条件あり)
自治体独自のサービス(内容は地域差あり)
  • 路線バス・都営交通などの運賃割引
  • 都営住宅等の入居優遇
  • 公営公園・施設の入場料減免
  • 精神通院医療費の自己負担軽減
  • 携帯電話・インターネット料金の割引(各キャリア独自)

自治体独自のサービスは年度によって内容が変わることもあります。手帳取得前と取得後の両タイミングで、お住まいの市区町村窓口に利用可能なサービス一覧を確認することをお勧めします。

取得後の活用法|発達障害のある方の働き方への活かし方

ここでは、手帳を取得した後にどのように活用するかを、就労面を中心に解説します。

障害者雇用枠を使うかどうかを見極める

手帳を取得したからといって、必ず障害者雇用枠を使わなければならないわけではありません。クローズド就労(一般雇用・非開示)と、オープン就労(障害者雇用・開示)は、個人の判断で選べます。

目安として、「職場での配慮が働く上で不可欠な場合」は障害者雇用枠を活用するメリットが大きく、「配慮がなくてもある程度働ける、または職域を広く探したい場合」は一般雇用の選択肢を残しながら手帳の税制メリットを活用する方法もあります。どちらが合うかは特性や職場環境によって異なります。

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就労移行支援と合わせて活用する

就労移行支援は、障害のある方が一般就労を目指すための訓練・支援を受けられる福祉サービスです。手帳3級があることで利用対象になるため、仕事探しと並行して自己理解や職業スキルを磨く場として活用できます。利用中は訓練費・食費の助成があり、金銭的な負担も比較的低く抑えられます。

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発達障害の手帳3級に関するよくある質問

発達障害で手帳3級はどのくらいの状態で取れますか?
3級は「日常生活または社会生活が制限を受ける程度」が目安です。仕事での困りごとや日常生活への支障を診断書に記載してもらうことが重要です。等級の判定は都道府県が行いますので、必ず医師に相談してください。
手帳3級があると給与が下がりますか?
手帳の取得が直接給与に影響することはありません。障害者雇用枠では一般雇用より平均賃金が低い傾向がありますが、法律上、手帳を持っているという理由だけで給与を下げることは禁止されています。
精神障害者手帳3級と障害年金は別の制度ですか?
別の制度です。手帳は自立支援・福祉サービスの利用を目的とした制度で、障害年金は収入補填が目的です。両方の受給条件を満たせば、手帳と障害年金の両方を申請できます。
グレーゾーンでも手帳3級の申請はできますか?
「グレーゾーン」という公式な診断区分はなく、発達障害の診断が下りている場合には申請対象になりえます。診断書の内容と日常生活・就労への影響の程度で等級が判定されますので、まず主治医に相談することをお勧めします。

まとめ

精神障害者保健福祉手帳3級は、発達障害のある方も取得できる制度です。「意味がない」と思われがちですが、所得税・住民税の障害者控除・交通割引・障害者雇用枠への応募・就労移行支援の活用など、生活と就労の両面で実際のサポートにつながります。ただし、交通割引や医療費助成の内容は自治体によって大きく異なるため、お住まいの窓口での確認が欠かせません。手帳は強制開示されるものではなく、一般雇用での就職を選ぶ場合でも税制メリットを活用できます。自分の特性と生活状況に合わせて、上手に活用してみてください。

支援制度の全体像については、発達障害の支援制度まとめも参考にしてみてください。

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ワークさん
ワークさん

手帳はあくまで活用するための道具です。取得するかどうかは主治医とよく相談しながら、自分のペースで決めてみてくださいね。

この記事の監修者

ワナワーク編集部

ワナワーク編集部は、国家資格キャリアコンサルタント(キャリア相談歴8年)を有する就職・転職支援の専門家チームです。発達障害・精神疾患のある方の「働く」に寄り添い、厚生労働省などの公的機関や医療の一次情報をもとに、信頼できる情報をお届けしています。

本記事の免責事項

本記事は就職・キャリア支援の観点から作成されたものであり、医療的助言ではありません。診断・治療・服薬等については、必ず医療機関や専門家にご相談ください。記事内で紹介する支援制度・サービス内容は自治体や年度によって変わる場合があります。最新情報はお住まいの市区町村窓口でご確認ください。