発達障害とグループホーム|サービスの種類と利用の流れ

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「一人暮らしはまだ不安だけど、施設に入るほどでもない…」そんな悩みを抱える発達障害のある方やご家族は少なくありません。そこで選択肢として注目されているのが、障害者グループホーム(共同生活援助)です。

ワナちゃん
ワナちゃん

友達のユイちゃん、発達障害があって一人暮らしを考えてるんだけど、グループホームって実際どうなんだろうって聞かれたんだよね。

この記事では、グループホームの4つの種類・利用条件・費用の目安・利用の流れ・一人暮らしとの違い・選び方のポイントまで、発達障害のある方の視点でわかりやすく解説します。

発達障害のある人がグループホームを利用するとは

ここでは、グループホームとはどのようなサービスなのか、発達障害のある人が利用できるのかについて解説します。

グループホーム(共同生活援助)とは

障害者グループホームは、障害者総合支援法に基づく「共同生活援助」というサービスの通称です。厚生労働省「障害福祉サービスについて」によると、主として夜間において共同生活を営む住居で相談・介護その他の必要な日常生活上の援助を行うサービスと定義されています。障害のある人が地域のアパートや一戸建てなどで少人数(平均6名程度)の共同生活を送りながら、スタッフから支援を受ける住まいの形態です。

提供される主な支援内容は、食事の提供や調理補助、入浴・洗濯などの生活支援、金銭管理のサポート、体調不良時の対応などです。夜間や休日を中心にスタッフが常駐するため、安心して生活できる環境が整っています。一般的な賃貸住宅とは異なり、支援員がそばにいるという大きな安心感があります。

発達障害のある人もグループホームを利用できる

グループホームの対象者は、身体障害・知的障害・精神障害(発達障害を含む)のある18歳以上の方です。手帳の有無は必須ではありませんが、障害福祉サービスの受給者証が必要となります。発達障害(ADHD・ASD・LD等)のある方も、支援があれば自立した生活を送れると判断される場合は利用できます。

なお、65歳以上の方は原則として介護保険サービスが優先されるため、64歳以下から利用を開始しておくことが重要です。発達障害のある方を専門に受け入れているホームも近年増えており、選択肢は徐々に広がっています。

発達障害のある人向けグループホームの4つの種類

グループホームには大きく4つのタイプがあります。それぞれ支援の内容や対象となる方の状態が異なるため、自分に合ったタイプを選ぶことが大切です。

ワナちゃん
ワナちゃん

4つも種類があるんだ。ユイちゃんにどれが合うか一緒に考えてあげたいな。

ワークさん
ワークさん

発達障害のある方には外部サービス利用型かサテライト型が利用しやすいケースが多いですよ。それぞれ詳しく見ていきましょうね。

介護サービス包括型

グループホームの中でもっとも一般的なタイプです。ホームのスタッフが介護サービスも含めて一体的に提供するため、比較的手厚い支援を受けることができます。障害支援区分が高め(目安として区分4〜6)の方や、日常生活に継続的なサポートが必要な方に向いています。

発達障害のある方でも、生活全般に見守りや支援が必要な状態であれば、このタイプが適している場合があります。スタッフが常にいる環境のため、急なトラブルにも対応してもらいやすいのが特徴です。

外部サービス利用型

ホームのスタッフが生活支援(食事・相談等)を担い、入浴や排泄などの身体介護が必要な場合は外部のヘルパー事業所を別途利用するタイプです。比較的自立度が高い方(障害支援区分1〜3程度)に向いており、発達障害のある方が多く利用しているタイプでもあります。

日常生活の困りごとに関するサポートは受けつつ、身体介護のニーズが低い発達障害のある方には利用しやすい形態です。ホームによってはADHDやASDのある方の支援に特化したスタッフが配置されている場合もあります。

日中活動サービス支援型

夜間だけでなく、日中も含めたホームの中でのサービス提供が特徴のタイプです。重度の障害のある方や、日中も常に見守りが必要な方を主な対象としています。障害支援区分が高い方(主に区分6)が対象となることが多く、発達障害のある方では重度の知的障害を併存している場合などに活用されます。

このタイプは重度障害者向けに設計されているため、比較的軽度〜中程度の発達障害のある方には向かないケースもあります。支援の必要度に応じて、他のタイプとの比較検討が大切です。

サテライト型住居

本体のグループホームから一定の距離内に設置された独立した居室(アパートの一室など)で一人暮らしに近い形態で生活しながら、本体ホームからの支援を受けるタイプです。「一人暮らしの練習」「自立への移行ステップ」として活用されることが多く、利用期限は原則3年とされています。

集団生活が苦手なASDのある方や、将来的に一人暮らしを目指したい発達障害のある方に向いています。プライベートな空間を確保しながら必要なサポートを受けられる点が、このタイプの大きな魅力です。なお、3年の利用期限後に一人暮らしへ移行することが想定されているため、ご自身の目標と照らし合わせて検討してみてください。

発達障害のある人がグループホームを利用する費用

グループホームの利用にかかる費用は大きく「障害福祉サービス利用料(自己負担分)」と「生活実費(家賃・食費・光熱費等)」の2種類です。以下では各費用の目安と補助制度をまとめます。

障害福祉サービス利用料の自己負担

グループホームの障害福祉サービス利用料は、世帯の所得に応じた「応能負担」の仕組みです。厚生労働省「障害者の利用者負担」によると、所得区分ごとの月額上限は以下のとおりです。

所得区分対象月額上限
生活保護生活保護受給世帯0円
低所得市町村民税非課税世帯0円
一般1市町村民税課税(所得割16万円未満)9,300円
一般2上記以外37,200円

市町村民税が非課税の世帯であれば、サービス利用料の自己負担は0円となります。障害基礎年金のみの収入で生活している方の多くは低所得区分に該当し、利用料の実質的な負担はほとんどかからないケースがあります。

家賃・食費・光熱費の目安

生活実費として毎月かかる費用の目安は以下のとおりです。地域や施設によって差があるため、あくまで参考値としてご覧ください。

グループホームの月額費用目安
  • 家賃:月3万〜6万円程度(地域差あり)
  • 食費:月2万〜3万円程度(3食提供の場合)
  • 光熱費・日用品費:月1万〜2万円程度
  • 合計目安:月6万〜11万円程度

これに障害福祉サービス利用料の自己負担分が加わります。ただし、後述の家賃補助制度を活用することで、実質的な家賃負担を抑えられる場合があります。

家賃補助制度(特定障害者特別給付費)

生活保護または低所得(市町村民税非課税)世帯のグループホーム利用者を対象に、国が家賃の一部を補助する制度(特定障害者特別給付費)があります。補助額は利用者1人あたり月額1万円を上限としており、家賃が1万円未満の場合はその実費額が補助されます。

申請先はお住まいの市区町村の障害福祉担当窓口です。また、自治体によっては国の制度に加えて独自の家賃補助を設けているケースもあります。グループホームを選ぶ際は、担当窓口や相談支援事業所に制度の詳細を確認しておくと安心です。

発達障害のある人がグループホームを利用する流れ

ここでは、グループホームの利用申し込みから入居まで、おおよそ1〜3ヶ月かかる標準的な流れを解説します。

ステップ1:相談支援事業所や福祉窓口に相談する

まずは、お住まいの市区町村の障害福祉担当課や相談支援事業所に相談しましょう。「グループホームを利用したい」という意思を早めに伝えることが大切です。グループホームは空き待ちになることも多いため、早期の相談が入居の可能性を高めます。相談支援専門員に依頼すれば、ホームの紹介や申請のサポートも受けられます。

ステップ2:障害福祉サービスの受給者証を取得する

グループホームを利用するには、市区町村への「障害福祉サービス受給申請」が必要です。申請後は調査員が面談を行い、障害支援区分の認定が行われます(区分1〜6)。区分が決定すると受給者証が発行され、グループホームのサービスを利用できる状態になります。申請から受給者証発行まで、1〜2ヶ月程度かかることが一般的です。

ステップ3:グループホームを探し・見学する

相談支援事業所の紹介や、自治体の窓口・WAM NET(福祉サービス事業所検索システム)などでグループホームを探します。複数のホームに問い合わせ、実際に見学することを強くおすすめします。見学では、スタッフの雰囲気、入居者の年齢層、共用スペースの環境、発達障害への支援経験の有無などを確認しておくと良いでしょう。気になるホームには「体験入居」できる場合もあります。

ステップ4:面談・個別支援計画の作成を行う

入居を希望するホームが決まったら、担当者との面談が行われます。ここでは本人の障害特性・日常生活の状況・希望する支援内容などを確認します。面談の結果、入居が適当と判断されると、個別支援計画が作成されます。この計画は入居後の支援内容の基本となるもので、サービス管理責任者が中心となって作成します。

ステップ5:契約・入居

個別支援計画が決まれば、ホームとの利用契約を締結して入居となります。入居後も定期的にモニタリングが実施され、支援内容を随時調整できます。生活に慣れるまでは戸惑うこともあるかもしれませんが、スタッフや相談支援専門員に相談しながら、自分のペースで新生活を進めていくことができます。

グループホームと一人暮らしの違い|発達障害のある人はどちらが向いているか

グループホームと一人暮らしはどちらが良いのか、迷う方は多いです。ここでは両者の違いをまとめます。

グループホームと一人暮らしの比較

比較項目グループホーム一人暮らし
スタッフの支援あり(夜間・休日中心)なし
生活の自由度ルールあり(食事・外出等)高い
費用月6〜11万円程度(補助制度あり)月10〜17万円程度(地域差あり)
孤立リスク低い(他の入居者・スタッフと交流)高い
プライベート空間個室(共用スペースあり)すべて自分の空間
緊急時の対応スタッフが対応できる自分または家族が対応

グループホームが向いている発達障害のある人の特徴

グループホームが向いているのは、生活リズムの維持や金銭管理・家事に困難を感じており、誰かの見守りがあると安心できる方です。特に次のような状況の方には利用を検討する価値があります。

こんな方にグループホームがおすすめ
  • 家族からの自立を目指したいが、完全な一人暮らしにはまだ不安がある
  • 食事・服薬・生活リズムの管理にサポートが必要な方
  • 金銭管理が苦手で、定期的にアドバイスしてもらいたい方
  • 体調が悪いときに声をかけてもらえる環境があると安心できる方
  • 就労移行支援や日中活動と組み合わせながら生活を整えたい方

一方で、自分のペースや時間を大切にしたい方、他者との共同生活にストレスを感じやすい方(特に感覚過敏のある方)は、サテライト型または一人暮らしの方が合う場合もあります。どちらが自分に合うかは、相談支援専門員と一緒に考えるのがおすすめです。

発達障害のある方の一人暮らしについては、以下の記事でも詳しく解説しています。

発達障害のある人の一人暮らし|困りごと別の工夫と支援のアイキャッチ画像 発達障害のある人の一人暮らし|困りごと別の工夫と支援

発達障害のある人がグループホームを選ぶポイント

グループホームを選ぶ際に確認しておきたいポイントを解説します。見学時のチェックリストとしても活用してみてください。

ワナちゃん
ワナちゃん

ユイちゃんASDもあるんだけど、感覚的に合うかどうかって大事だよね。見学で何を確認したらいいんだろう?

ワークさん
ワークさん

スタッフの発達障害への支援経験と、居室の環境(騒音・においなど)は特に確認してみてくださいね。

スタッフの発達障害への支援経験を確認する

グループホームによっては、知的障害のある方を主な対象としているホームや、精神障害・発達障害専門のホームなど、受け入れ対象が異なります。発達障害(特にADHDやASD)の特性を理解したスタッフが配置されているかを確認することが大切です。見学時に「発達障害のある利用者の支援経験はありますか?」と直接聞いてみることを推奨します。

居室環境(騒音・においなど)を確認する

感覚過敏のある方にとって、騒音や照明の明るさ・においなどの環境要因は生活の快適さに直結します。実際に居室に入って環境を確かめることが重要です。共用スペースがどの程度の頻度で使われているか、他の入居者との距離感なども確認しておきましょう。複数のホームを見学し、感覚的に「ここなら過ごせそう」と感じられる場所を選ぶことが、長く安心して生活するための鍵になります。

ホームのルールと自由度を確認する

グループホームには、食事の時間・外出・帰宅時間などの共通ルールが設けられています。自分の生活スタイルやこだわりとルールが合うかどうかを事前に確認しておくことで、入居後のミスマッチを防ぐことができます。特にASDのある方は、予測可能なルーティンが保てる環境かどうかが重要な判断基準になることが多いです。

発達障害のある人がグループホームと合わせて使える支援制度

グループホームはほかの障害福祉サービスと組み合わせて活用することができます。以下の制度は特に発達障害のある方が活用しやすいものです。

就労移行支援

就労移行支援は、一般就労を目指す障害のある方を対象に、就職に必要なスキルや知識を習得する場を提供するサービスです。グループホームに入居しながら日中は就労移行支援事業所へ通う、というライフスタイルは発達障害のある方に広く活用されています。グループホームで生活を安定させながら、就職に向けて準備を進めることができます。

就労移行支援の詳細は以下の記事をご参照ください。

発達障害の就労移行支援とは|対象・料金・選び方を解説のアイキャッチ画像 発達障害の就労移行支援とは|対象・料金・選び方を解説

精神障害者保健福祉手帳

発達障害のある方は、精神障害者保健福祉手帳(3級から取得できることが多い)を取得することで、障害福祉サービスの利用が容易になる場合があります。手帳があると受給者証の取得がスムーズになるほか、就労移行支援や障害者雇用の利用にも活用できます。ただし、手帳がなくてもグループホームを利用できるケースもあるため、まず担当窓口に相談してみてください。

発達障害の手帳取得のメリットについては、以下の記事も参考にしてみてください。

発達障害の手帳3級のメリットとは|申請方法と活用法を解説のアイキャッチ画像 発達障害の手帳3級のメリットとは|申請方法と活用法を解説

発達障害 グループホームに関するよくある質問

グループホームの利用を検討する中でよく寄せられる疑問にお答えします。

発達障害だけでグループホームを利用できますか?
はい、発達障害(ADHD・ASD・LD等)のある方も利用できます。障害者総合支援法の対象には精神障害(発達障害を含む)が含まれており、障害福祉サービス受給者証を取得することでグループホームを利用できます。手帳がなくても医師の診断書等で申請できる場合があるため、まず市区町村の障害福祉担当課に相談してみましょう。
グループホームの待機期間はどれくらいですか?
地域や施設によって大きく異なりますが、人気のあるホームでは数ヶ月〜1年以上待つ場合もあります。複数のホームに同時に申し込みをしておくこと、早めに相談支援事業所に動いてもらうことが待機期間を短縮するポイントです。
グループホームと就労継続支援(A型・B型)は同時に利用できますか?
はい、同時利用が可能です。グループホームで生活の安定を図りながら、日中は就労継続支援事業所(A型・B型)や就労移行支援に通うというスタイルは、発達障害のある方に広く活用されています。具体的な利用の組み合わせは、相談支援専門員に相談しながら決めていくと良いでしょう。
グループホームを途中で退居することはできますか?
はい、退居できます。一般的には1〜2ヶ月前に事業者に申し出ることで手続きが進められます。退居後は一人暮らし・別のグループホームへの転居・家族との同居など、ご自身の状況に合わせた選択が可能です。退居に際しては相談支援事業所を通じて次の生活の準備をしておくことをおすすめします。
グループホームには入居期限がありますか?
通常の介護サービス包括型・外部サービス利用型・日中活動サービス支援型には期限がなく、長期入居が可能です。ただし、サテライト型住居には原則3年の利用期限があります。サテライト型は「一人暮らしへの移行を目指す方」を対象としており、3年後は一人暮らしまたは通常のグループホームへの移行が想定されています。

まとめ

発達障害のある方のグループホーム(共同生活援助)は、障害者総合支援法に基づく福祉サービスであり、精神障害(発達障害を含む)のある18歳以上の方が利用できます。タイプは介護サービス包括型・外部サービス利用型・日中活動サービス支援型・サテライト型の4種類があり、自身の障害特性や自立の目標に合わせて選ぶことが大切です。費用は生活実費を含め月6〜11万円程度が目安で、低所得世帯には家賃補助制度も用意されています。就労移行支援や障害者手帳との組み合わせで活用の幅も広がります。まずは相談支援事業所や市区町村の窓口に相談してみてください。

発達障害と自立|経済的・生活的自立のステップと支援のアイキャッチ画像 発達障害と自立|経済的・生活的自立のステップと支援
ワークさん
ワークさん

迷ったときは一人で抱え込まず、相談支援事業所に声をかけてみてくださいね。一歩踏み出すだけで選択肢はぐっと広がりますよ。

本記事はワナワーク編集部(キャリア相談歴8年・国家資格キャリアコンサルタント保有)が執筆・監修しています。

この記事の監修者

ワナワーク編集部

ワナワーク編集部は、国家資格キャリアコンサルタント(キャリア相談歴8年)を有する就職・転職支援の専門家チームです。発達障害・精神疾患のある方の「働く」に寄り添い、厚生労働省などの公的機関や医療の一次情報をもとに、信頼できる情報をお届けしています。

本記事の免責事項

本記事は就職・キャリア支援の観点から作成されたものであり、医療的助言ではありません。診断・治療・服薬等については、必ず医療機関や専門家にご相談ください。記事内で紹介する職種・働き方は一般的な傾向に基づくものであり、個人差があります。